書道体験の内容
「和」1文字とご自分の名前をカタカナで半紙に練習していただき、最後には色紙にお清書して仕上げ、お持ち帰りいただきます。(約30〜40分)
書道に時間をかけられるグループは、日本語のひらがな、カタカナ、漢字の説明をお聞きいただき、いくつかの漢字からご自分のお好きな文字を選び練習し、お清書していただきます。(約1時間)
書道
書道は漢字や仮名文字を毛筆と墨で書くことによって精神的な深さや美しさを表そうとする造形芸術です。今から四千七百年ほど昔、中国で地面に残る鳥の足あとをヒントに、亀の甲や獣の骨に刻み込む甲骨文(こうこつぶん)が発明されたのが、文字の起源。四世紀には中国で書は王羲之(おうぎし)らによって芸術性が高められ、日本へも漢字が伝来しました。奈良時代には仏教による統治方針から中国風の楷書による写経が盛行しますが、いわゆる「万葉仮名」という日本的な書も生まれました。
平安時代になりますと日本風の書がさらに洗練され、「和様書」というわが国独自の表現を確立するに至ります。一方で鎌倉時代には多くの新仏教が誕生し、僧侶たちが個性的な表現を見せ、中でも禅僧の書は、中国との往来を通し、新しい表現である「墨跡(ぼくせき)」というスタイルを産みました。明治中期になると日本古来の文化が再評価され、昭和初期には現代書道の基盤が整いました。
書は一回限りの紙と筆と墨との偶発的な出逢いを尊重するといわれます。書を書く時、筆が墨汁を含んで紙面に接する瞬間、墨汁は時々刻々その時の無数の条件に応じて紙に吸い込まれていきます。筆者は瞬間的な接触を読みとり、筆圧を加減しながら線をひくといわれます。
現在では正月二日にめでたい言葉や縁起のよい詩歌などを毛筆で書く「書きぞめ」は小・中学校の間で広く行われている。
書道は精神の集中が必要であり、能筆になる技術を習得すると同時に、精神の修養にもなると考えられている。
出典
●書の至宝、日本と中国 朝日新聞社
●すぐわかる日本の書 東京美術
●日本−その姿と心−新日本製鉄 学生社
●字と書の歴史 日本習字普及協会
●太陽 創刊30周年記念特集
日本を知る100章 平凡社
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