茶の湯
中国から伝わった茶はもともと薬として始まりその後飲料となる。中国では八世紀になって洗練された娯楽の一つとして詩歌の領域にまで高まる。日本では15世紀になると一種の審美的な宗教、つまり茶道となった。16世紀後半に千利休が芸術として大成させた。
日本人にとって茶道は、単に理想的な茶の飲み方を説くだけでなく、客と亭主が良く和合し、主客共にこの世に最高の至福を見出そうとする。茶室は荒涼たる人生のオアシスであり、疲れた旅人が芸術鑑賞という共通の泉に集い、喉をうるおす。貴賤貧富の別なく何人にも解放された高い文化的生活と宗教的慰安を与える。
茶道の目的は道教の哲学であるこの世でいかに良く生きるかを学ぶことである。神と自然を我々自身の中で融合させ、絶えず移ろいゆく無限に連なる「現在」、「今」を相対的に生きる。我々をとりまく環境に対し、常に適応して行く。現世をありのままに受け入れ、わずらわしい毎日の中に美を見出す。
待合いと茶室を結ぶ露地は外界との接触を断ち、深山幽谷の神聖で清浄な世界である茶室へと向かわせる。俗念は消え去り心豊かな気分が満ちあふれる。茶室は簡素で世俗離れした真に外界のわずらわしさを逃れた聖域である。
究極の目的は茶道の四つの理念(法則)「和敬清寂」の寂の心境、禅の悟りを得ることである。この理念とは、人間の間の心掛け、すなわち倫理法則として理解されるべきである。
茶道は禅の精神を寺院の中だけにとどめず、一般庶民の家庭の中にもち込み、日本の礼儀作法やエチケットを広く浸透された。
現代社会で乱脈になっている家庭生活、職場生活を、正しい茶の心と理念で是正し、日本のみならず広く世界の文化に寄与すべく、規範となるよう心掛けねばならない。現在では女性を中心に趣味、教養として茶会などが催されるが、形式的、物質的なものより精神的な心得が大切である。
出典
●「茶の本」岡倉天心 岩波文庫
●「茶の本」立木智子 鑑賞淡交社
●茶道の哲学 久松真一講談社学術文庫
●茶道の歴史 桑田忠親 講談社学術文庫 |
|
|
|
A casual tea ceremony party
We the Japanese Culture Visit staff members enjoyed a tea ceremony party on 5th of May, 2011.
We rented the beautiful tea rooms at the Shunkaen Bonsai museum in Edogawa-ku,Tokyo.
There, we sat on a waiting bench, purified ourselves at the wash basin, then entered the tea room through a small door called Nijiriguchi, crawling on knees.
We had a delicious Kaiseki box lunch which our colleague, the daughter of the Bonsai museum owner prepared for us. Then we enjoyed a ceremony featuring Koicha,
strong or thick tea followed by one featuring Usucha, weak or thin tea.
We spent the early summer day with close friends , studying the formal tea ceremony.
The Shunkaen Bonsai museum is our work place.
Usually we present tea ceremony, calligraphy, Ikebana,Japanese flower arrangement, Kimono dressing and so on for foreign visitors at this location.
But on the 5th of May we just enjoyed a leisurely tea ceremony and listened to the apprentices of Mr. Kunio Kobayashi, the owner of the museum speak about Bonsai, miniature of potted trees.
We are anticipating the return of foreign visitors to Tokyo.
The nuclear power station problems have not affected the Tokyo area so we are hopeful that visitors will once again come to Japan and enjoy our cultural offerings.
|